手紙
(1)考え・用件などを記して送る文書。書簡。書状。
>goo辞書より抜粋
要するに、自分の気持ちを紙に書いて相手に渡すもの。
メッセージを伝える手段た。
それが歌い手なら、美しい旋律に乗せて詩を紡ぐだろう。
それが物書きなら、一番心地よい言葉をペンから綴るだろう。
それが写真家なら、その気持ちを表す瞬間を捉えるだろう。
それが絵描きなら、頭の中で見えた色と形をキャンバスに描くのだ。
絵とは自己表現の一種とは言え
伝達手段こそが基本的な性質だと思う。
前衛絵画、キライじゃないよ。
観る側に解釈の余地を与えるのは必要だから。
でも「解らない人は解らない、観なくていい」じゃ
何とも寂しい話じゃないか。
何かを伝えたくて生まれた絵なのに。
その想いは誰に向けるの?
だから思うんだ。
絵は手紙。
私が「百人の肖像画を描きたい」って言った理由。
それはここにある。
絵はずっと描き続けてたけど、似顔絵は特に魅かれなかった。
似せなくてはいけないからだろうか。現実に興味が無かったのか。
脳内の創造物を描いていれば、間違いないからかもしれない。
でも描いてみて、
喜ぶ顔を見て、思った。
悪くないな、この感覚。
何故だろう、よく「観る」事で、素敵な一面が見える。
何だろうな、描き上げていく時に言いたくなる気持ち。
口べたで話も巧くないし、文章もイマイチ。
いい歳してかなり照れ屋でひねくれ者。
でも言いたいんだ。
そうだ、自分には、絵を描ける腕があるじゃないか。
だから描こうと思ったんだ。
身の回りの大切な人達に向ける、手紙を。
それは「いつも有り難う!」って感謝状だったり。
それは「アナタが大好き!」ってラブレターだったり。
それは「今後とも宜しく!」って挨拶文だったり。
伝わるといいな。
まだまだ未熟な画力だけど。
アナタに向けたメッセージ。
お返事は、仕上がった肖像画を見た時の
アナタの表情だけでいいよ。