6月 11 2010

距離

 
 
どんどん夏っぽくなっていく今日この頃。
皆さん、衣替えは済みましたか?

 
  
つい最近、パステルに手を出してみた。
…載せようと思ったら容量がデカくてダメっぽいので
それはさておき、あれは面白いね。

粉っぽいし、すぐに擦れてしまうけど
表現方法が鉛筆やチャコールに似てて良い。
紙との距離が近いところとか。

 
この「紙からの距離」って大事だと思う。

時代はデジタルで溢れている。
自分もその恩恵を受けてるし、便利で良い道具だ。
けど、「デジタルありき」って風潮が釈然としない。

だって「遠い」のだ。

デジタルでの作業は、PCが実質的には行ってる。
制作者は、マウスを使ってモニターに映る絵を確認する。
出来上がったらプリンターを使って印刷する。

結局、紙に描いたのは制作者でなく、プリンターに思える。
私にはデジタル作品は「描く」より「作る」に近いと感じる。
 
 
「描いている」実感がないのだ。
おまけにPCは融通が効かないし、理不尽な動きをする。
…これは完全にPCに精通してないからなんだろうが(苦笑)。

何しろ、歯がゆいのだ。

じゃあ使うなって話になってしまうのだけど
デジタルの良さも可能性もたくさんある訳で
使いたいし、否定したくない。

ただ、主流にするのはどうかと思う。

 
先月、函館のホテルに展示した時に
改めて「手で『描く』」事の魅力を実感した。

社長にどの絵が一番お気に召したか聞いてみたところ
即答で答えてくれた。

「猫の絵がいい」
と。

それは9点の作品の中で、唯一の原画だ。

 
単に社長が猫好きだったからかもしれないし、
一番解りやすい絵だったからかもしれない。

でも直接手で描いた絵の存在感が要因の一つと
考えられなくもないと思う。そうであると信じたい。

 
 
今後もデジタルは使う。
けどそれに「使われる」のはまっぴらだ。
私はズルいから、オイシイところだけ頂くのだ。

これからも手を画材で汚しながら
描いていくぞ。
 
 

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