正しいと言う証明を
何度も言われた事だけど、いつも答えに窮する。
「色んな絵が描けるけど、一つにしないの?」
「絵柄が同じの方が特定出来るし、覚えてもらえるんじゃない?」
「個性が無いって言われるんじゃない?」と言われた事もある。
…いつ誰にだったか忘れたけど。
解っている。
それは知っている。
でも描きたくなる性分だし、どれもその場限りで創った訳じゃない。
もう一度描けって言ったら描けるし。
個性って一つの絵柄が描けたら個性的なのかな。
あれが全部 私なんだけどな。
依頼されて創り出した絵柄や、挑戦してみたくて創った絵柄は
そんなに悪い物なのか。
飽き性って言われたらそれまでだけど。
何度も考えたし、悩んだ。居直って、吹っ切れもした。
「どれも違うけど、宇田の絵って解るよ」って言葉に励まされた。
ここの所、故合って第一線で活躍するイラストレーターさんと
お話させて頂く機会が何度かあった。
何と作品を見て頂く機会にも恵まれた。
内心、「何だこれは。絵柄がバラバラじゃないか。」と
否定される事を想定しつつ、怖かった。
返ってきた答えは、意外にも 「これでいいよ」 だった。
…別に自慢とかではない(苦笑)。
ただ嬉しかった。
同じく絵を描く人達が、自分のやり方を認めてくれた事が。
間違ってなかったんだ。
これでいいんだ。
本当に自分が正しかったと言う証明をしようじゃないか。
第一線のプロにちょっと褒められたからそれでお終いじゃない。
腕一本で食べて行ける様にする事が証だ。
うむ、俄然やる気が湧いて来た。
否定される事も、あながち悪い事だけではないな。