2月 27 2011

予言する者

 
 
 
  胸に赤ん坊をだいた女が言った——–子どもについてお話しください。
  アルムスターファは言った———

  あなた達の子はあなた達の子ではない。

  大いなる生命が自分自身に憧れる、その憧れの息子であり、娘たちだ。
  あなた達を通していまれてくるが、あなた達から生まれるのではない。
  あなた達とともにいるが、あなた達のものではない。

  子どもに愛をあたえることはできても、考えまであたることはできない。
  子どもには子どもの考えがある。
  子どもの体を家におくことはできても、魂までおいておくことはできない。
  子どもの魂はあしたの家に住んでいて、あたな達は夢の中でさえ、その家へ
は行けない。
  子どものようになりたいと願うのはいい。けれど、子どもを自分のようにしよ
うとしてはいけない。
  生命はあともどりも、きのうにとどまることも、しない。
  あなた達は弓だ。子どもはその弓から、生きた矢として放たれる。
  射手は、無限に続く道の先に狙いをさだめ、矢を速く、遠くへと飛ばそうと、
  大いなる力であなた達をたわめる。
  大いなる射手の手のなかでたわめられえいる、そのことを喜びとしよう。
  飛んでいく矢が愛されているのと同じように、手もとに残る弓もまた、愛され
ているのだから。
 
 
カリール・ジブラン 『予言者』より。
船井 幸雄訳

 
 
 
 
これは、某ラジオ番組にてパーソナリティが紹介した
小説の一節です。
 
 
何気なく聞いていたんですが、思考を鷲掴みされました。
当方、子どもどころか相手もおりませんが(笑)、頭から離れず。
すぐに本屋へ行って即購入しました。
 
 
この本は、アルムスターファなる人が、オルファリーズと言う街から
旅立とうとしている時に、街の人達が色々と問うーーーと言う内容。

この他にも、愛とか友情とか、罪と罰についてたくさん書いてあります。
 
 
読んでいると、目が覚めていく様な、いや 目から鱗かな。
探していた答えがふっと差し出される感じです。

聖書っぽいのですが、難しくもないし結構 短いです。
読むのが早い人なら1、2時間で読めます。
 
 
紹介したいな、と思っててそのままになってましたが、
親友の某SNS日記を読んで、今やらなきゃと、書きました。

上記の通りですので、「子育ては一筋縄じゃいかんのだろうな」と
漠然としたイメージしかない身でありながらおこがましいですが、
何かの参考になれば幸いです。
 
  
 
…余談と言うか全く関係ない話ですが、

著者の名前から勝手に「ヒンドゥー語とかで書かれてるのかな」と
日本語訳を購入したのですが、本を開いて読んでみたら
アメリカに住んでいた為か、原作は英語で書かれていたそうな。

…先によく調べておくんだった。
きっと英語で読んだ方が、意図が伝わりやすいと思われる文章ですので。